製本を学ぶ 編集
2020.10.28

製本を学ぶ 編集

Making a book

授業: 編集(コンテンツ作り)

講師にどのような内容の本を作るのかプレゼンし、それをどのような方法で伝えるのが適切か、プロの方々にアドバイスを頂く回でした。例えば、写真集なら写真を1ページに何枚入れるのが適切か、また文章はどのくらい行間をあけると読みやすいのか、本作りにおいて拘る要素はたくさんあります。講師はこちらのお二方でした。

・【編集者】永岡綾さん

元出版社勤務で現在はフリーで編集のお仕事をされています。台割りにとても細かく、綺麗な文字が書かれていて丁寧な仕事ぶりが伝わってきました。図書館で借りていた「デザインノート(No.91)」の本に永岡さんが携わっていたとはビックリです。

・【デザイナー】守屋史世さん

本づくりなど多岐に渡る事業を行われているea(エア)でブックデザイナーをされています。学生時代からブックデザイナーになると決めていて、あらゆる課題を本づくりと結びつけて提出していたのだとか。

わたしの作りたい本

わたしの本は「いつ、どんな状況のときに、誰のどんな言葉に救われたのか」をまとめるというもの。救われた言葉には、身近な人々のもあれば、本や歌、映画のセリフもあります。いわゆる自分史のような内容ですが、そのときの感情がありありと蘇るようなところまで掘り下げた言葉は、だれかの、人間の共通の川のようなところにまで辿りつくことができるのではないか、という思いからこの本を作りたいと思いました。

何かモヤモヤしていて苦しいとき、随分と言葉に助けられてきました。詳細に言いますと、いうに言われぬ苦しみに言葉をつけてあげる行為が私を癒してくれました。何か苦しいときというのは、その正体がわかっていないことが大きいように思います。嫌なこと、苦しい理由がはっきりすれば、驚くほど気持ちがラクになります。わたしたちは家族や友人、時代の影響を受けながらも、そこから自分を見つけ出し自由になることができます。心の違和感に名前がつくと新しい一歩を踏み出せる、そんなことが少しでも伝わるといいなと思います。

見本をB6とA5サイズで作りました。私は持ち運びやすそうなB6サイズが気に入っています。PowerPointでデータを作成・PDF化し、冊子印刷をしました。

▲左からB6,A5
▲村上春樹 絵本『ふわふわ』(講談社,1998年)

自分の言葉、他者の言葉(影響を受けた言葉)がどちらかわからなくて、どう読んだらいいかわからなかった、という指摘をもらいました。逆に言えば、いろんな人のさまざまな言葉があるから、私の言葉、影響を受けた言葉のどちらか片方を読んだだけでも面白いね、とのこと。読み手がどちらか一方を読んだり、両方を読んでみたりと選べるというのは自由で面白いかもしれません。とても良いアドバイスを頂きました。自分と他者の言葉を分けるデザイン的な手法として、縦書き横書きで分けてみる、背景の色を変えてみる方法があるよと教えてもらいました。

つぎは、他者の言葉を載せるので、著作権には気をつけてねとのこと。本づくりが終わると終了展があります。そこで思わぬ方の目に触れるためと、やはりここは本づくりのプロとしての責任です。著作権についてはこちらの本で調べました。

最後は行間について。私も直さないといけないと思っていたのですが、行間が詰まりすぎているので、適切な余白をつくり読みやすくすると良いよのことでした。

授業を終えて

編集の授業って愉しい。製本するよりも、コンテンツを決めたり、内容をどのように伝えるかを考える方が好きなことにも気づいた授業でした。

本日のよりみち

新そばの季節と聞いて腹ごしらへ向かったのは、伊那市駅から早歩きで7分ほどの「そば処 こやぶ」さんです。この日はとても寒かったので、温かいおそばにも心が揺れましたが、やっぱりそばは冷たい方が美味しいと思い直し「盛りそば」を頼みした。2枚ありましたが、薬味と一緒についてきた信州味噌が味変に一役買ってくれてはしが進みました。最後に蕎麦つゆをのむとなんだかぽかぽか。蕎麦つゆが体を温めてくれるため、寒い日の冷たいそばも怖くないと学びました。店内の色味は抑えられていて、松本民藝と思われる椅子もあり、とても落ち着く空間でした。

そば処 こやぶ

「そば処 こやぶ」についてはこちらをご確認ください。

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