真っ白な世界
一面に広がる雪。冬でなければ、そこは畑が広がっているであろう辺りも今は雪で覆われています。歩道には誰ひとりおらず、滑らないよう速度を落として走る車が数台と、あとは年度末に向けて追い込みの工事をする作業者の姿があるだけです。北の住まい社のある東川町は、移住者も多いようで、辿り着くまでに新しそうなログハウスやカフェを見かけました。山と山の間の道をぐんぐん進んでいくと、北の住まい設計社の建物が見えてきました。
まるで異国の地
地面をおおい、木の葉にも降り積もる雪。差し色に赤が使われた木の建物は、ほっこりしていない外観がまた素敵てす。あたりに余計な広告は無く、まるで北欧に来たかのような異世界感があります。シンと静まり返った白の世界から、赤いドアを開けると、食料雑貨やパンが賑やかに並んでいます。その奥にカフェスペースがあり、少し待ってランチとお茶をしました。
ほの暗い、やわらかな照明
カフェスペースに入ると、壁から弧を描いて伸びる照明に目が止まりました。そこから落ちるオレンジ色の光がぽっと周囲を照らしています。店内の照度が抑えられているがゆえに、景色を切り取るように着いた窓が、雪の白を際立たせています。寒い地方こそ、ほの暗い照明の力が最大限に発揮されるように思います。ろうそくやキャンドルの灯を想像してもらいたいのですが、おぼろげであればあるほど光の存在に意識がゆき、視覚的にあたたかさを伝えてくれているからだと思います。
北の大地のご馳走
すっかり照明の話が長くなってしまいました。北海道は言わずと知れた魅力的な食の宝庫!じゃがいものニョッキや海鮮のパスタに並び、週末限定、北海道産牛頬肉のワイン煮がありました。赤身肉が好きなので頬肉を頼みました。ランチはメイン料理にスープとパンがつきます。さつまいもとじゃがいもの甘みを感じるスープに、口の中でほどけるお肉。どちらも好物です。せっかく北海道に、さらには札幌から2時間30分かけて来たのだからと、オーガニックチーズケーキとコーヒーもいただきました。
北の住まい設計社とは
カフェや食料品雑貨が並ぶ建物とは別に、オリジナル家具やセレクトの生活雑貨を扱うショールーム棟があります。(カフェの待ち時間にショールームを見ていても、マイクで案内が入るので安心です。)北の住まい設計社は、木の家具作りを行うメーカーです。小学校の廃校を使った工房で、北海道産の木材を使い、「1人の職人が最初から最後まで面倒をみる」というスタイルで家具を作られています。ここを訪れたいと思ったのは、ほぼ日で伊藤まさこさんが営むお店「weeksdays」で北の住まい社製の「PAS Stool」(weeksdaysオリジナル)を購入したのがきっかけです。木材には北海道産のミズナラを使用されていて、座面がすべすべと滑らかです。隅々まで丁寧に作られているのが、手を通して伝わってきます。北の住まい設計社について調べると、どうやらカフェ等も運営されていて、しかも素敵な空間!。北海道に行ったら是非とも訪れたいと思っていました。
ショールームでも照明が気になる
オリジナル家具の温もりに、北欧照明のデザインがピリッと効いています。雪景色を背景にした照明、ダイニングテーブルの組み合わせがなんともノスタルジックです。こういう風景に合う家具が丁寧に作られているんだと、腑に落ちた瞬間でした。ルイスポールセンの「PHシリーズ」ほか、たくさんの照明が展示されていました。雪景色に映える照明の存在感が忘れられない帰り道となりました。青々と茂った緑の中でみる、北の住まい設計社もいつか見てみたいです。
北の住まい設計社
水曜定休。カフェのラストオーダー時間にお気をつけください。交通手段は車かタクシーです。