
指物とは
指物と聞いたとき、何だろうと思ったのが正直な感想です。指物とは、板を組み合わせて作る家具や器具のことを指します。つまり、釘などの接合器具を使っていないことを意味します。以前、アーツアンドサイエンスのWebサイトで見かけて、和紙から透ける光は柔らかく、どうしてこんなにも心惹かれるのだろう…と気になっていました。その気になっていた照明を実際に見るべく、興石(指物部)さんのショールームに伺いました。
興石さんのショールームへ
ほの暗いショールームに入ると、壁にずらりと並んだ指物の中にありました。サイトで見かけたあの照明です。アーツアンドサイエンスの話題に触れると、鳥原さんが説明をして下さいました。

気になっていたあの照明
実はこの照明、持ち運び可能です。USB充電が可能で、10段階の調光から調節できます。家の中でも野外でも配線を気にせず、好きな場所に置くことができるため、置き場所が広がります。伝統を引き継いだ面持ちながらも、現代の生活スタイルに合うように進化しているのが嬉しいポイントです。和紙から透ける光は、真っ白ではなくどこか混ざりけがあって、温かみがあります。純白ではなく、暗さや辛さもあって、なお明るい。そんな人間らしさがあるように思います。
籠バックのような、おめかし天井
こちらのショールームに照明の他に気になったものがありました。それがこの天井です。

トンカツの名店、「ぽん多」の一角にこの天井があり、まるで木々を編み込んだ籠のようで、工夫がありつつも主張しすぎない手法がいいなぁと思っていたところでした。鳥原さんに聞いてみると、これは「網代(あじろ)天井」というようです。網代を作るための木を割る職人さんがいなくなって、今はもう作れないのだそうです。色ではなく、質感で部屋の表情をつけることは日本らしいのではないでしょうか。
興石
A&S
おまけのご飯情報。
京都の中華は、優しく奥深い味がします。興石から歩いて3分ほどの距離に、「鳳飛(ホウヒ)」という中華屋さんがあります。ひかえめな看板、外から中が見えないため、知らないと気付かないような雰囲気です。名物のからし鶏、炒飯、中華そばを頼みました。中でも中華そばはスープを全て飲み干せる美味しさです。風邪のときにも食べられそうな旨味たっぷりのお味です。
