そわか(京都)
2021.01.27

そわか(京都)

Stay

八坂神社のすぐそばにある

八坂神社の正門は、実はあの立派な朱色の門ではないと知っていましたか?正門は「南桜門」と呼ばれる、石の鳥居なのです。その南桜門から徒歩5分くらいの距離にあるのが、ホテル「そわか」です。そんな恵まれた立地に建つ、元老舗料亭を改装したホテルには、どんなおもてなしが待っているのでしょうか。

暖簾をくぐった先にあるもの

暖簾はなぜが心惹かれるものがあります。藍や深緑などやはり日本らしい色合いが似合い、小粋な感じがするからでしょうか。そこくぐると、玄関に向かう細いアプローチがあり、脇道はふわふわと苔生しています。玄関で履物を脱ぎ、ロビーラウンジまで通してもらうと、勢いのよい松の盆栽がお出迎え。全体的に室内の照明が抑えられており、優しい照明が松に降り注いでいるため一層存在感があります。こちらでウェルカムドリンクが提供され、しばしひと休みです。お部屋に通してもらう際に、ラウンジ周辺に残る、100年の歴史を持つ元料亭ならではの、かまどや秘密の階段についての説明があります。


(ラウンジには本棚もあります。谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」があり、このホテルが大切にしている世界観が垣間見えます。)

そわかの精神

そわかには、数奇屋建築の息吹を感じる本館と現代的な和風意匠の新館があります。それぞれ大切にされているのは「数寄」の精神です。数寄は茶の湯などを指しますが、その語源は「好き」からきています。数寄屋建築とは、好みに応じて作った家という意味になり、WEBサイトの言葉を借りると「 来客を楽しませるため、型にとらわれない、遊び心のあるつくり」がそわかの特徴です。 

新館のお部屋は

本館は12歳未満の子どもは泊まれません。我が家は子どもがいるため、本館には宿泊できず、実は少し残念に思っていました。新館のお部屋に通してもらうと、町屋のように長細いお部屋の壁は鶯色で柔らかく、床は床暖房でじんわり暖かく、丁寧に選び抜かれた主張しすぎない調度品が並べられています。新館と言えども、ベットサイドのサイドテーブルには左右それぞれ違う古道具が使われていて、遊び心を感じます。新館も素敵!と嬉しくなりました。

(212 ガーデンビューに宿泊)

京都のものを京都でいただく

お部屋には、京都発祥のイノダコーヒーのドリップや一保堂の焙じ茶、そして京都和束紅茶とローカルな魅力を感じられる品々が用意されています。

なんと、冷蔵庫には生チョコのプレゼントも。珈琲を丁寧に入れて、丸太のような、はたまたバームクーヘンのようなスピーカーで好きな音楽をかけながらチョコを食べる。そんな時間をイメージするだけで幸福になれそうです。

他にも、バスアメニティには京都のゆかりの葛山清老舗のグッズが用意され、歯ブラシはあの真っ白なブラシに透明なプラスチックの持ち手ではなく…京都の良いものを中心に、お客様に還元しようというホテルの心持ちを隅々まで感じられます。

夜のそわか

辺りが暗くなってからがこの宿の本番なように思います。玄関には闇夜に咲く、一輪の花のように和傘が置いてあります。また、間接照明が金屏風を照らし、辺りが暗いからこそ、艶やかかな印象を受けます。また、茶室の趣きを感じるバーも併設しており、コロナとうまく付き合えるようになったら、お酒を嗜むこともできます。ぜひ、暗くなってから館内をぐるりとまわり、明るいときとの違いを楽しんでみてください。

謎解きしながらディナーを

ディナー、朝食ともに専用会場で頂きます。ディナーのお品書きは、なぞなぞになっており、次はこれかな!?いや、あれじゃない?と会話が弾みます。初々しいカップルなら、緊張が解れる嬉しい仕掛けではないでしょうか。お皿が、素材・表情の違う料理をうまく底上げしていて、お皿と料理のマリアージュに心が奪われます。

そわかの魅力とは

そわかの魅力は、古きを生かした遊び心がある「日本の美の空間」と、おいしい料理のおもてなしにとどまらず、「地のもの」でお客様にたっぷり還元しようとする心意気だと思います。大人の癒しを堪能できるホテルでした。

そわか

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