絶景カフェ
茶寮石尊(せきそん)は、大山阿夫利神社下社に隣接する茶寮です。石尊という名は阿夫利神社の神様が石尊大権現、石尊さまと呼ばれていたことに由来します。大山阿夫利神社下社までは、大山ケーブルで向かいます。(阿夫利神社駅で下車)標高約700mにあるカフェから望む、模湾や房総半島、伊豆大島の景色はまさに絶景。茶寮内にはテラスや縁側、テーブル、和室など多様な席があり、席ごとの景色の違いも楽しめます。
建築家は堀部安嗣さん
建築は、日本建築界を代表する建築家・堀部安嗣さんです。Weeksdaysの記事で堀部さんのことを知ってから、著書の「住まいの基本を考える」を読み、住まい手のことを考えた、温かく上質な空間と、伝統を大切にしながらも現代の技術をうまく取り入れた柔軟な発想の虜になりました。いつか手掛けられた建物を見てみたいと思っていました。
入口から期待がふくらむ
雪が残るツンとした神聖な空気の中、神社の階段を上っていくと茶寮が見えてきました。存在感のある暖簾を目の前に空間への期待が膨らみます。暖簾をくぐると、和モダンで上質な空間が広がっていました。
名作チェアに座れるテーブル席
前方に絶景が広がる茶寮のテーブル席には、ハンスJ.ワグナーの 「CH88P」が並んでいます。木材とスチールの組み合わせが印象的な椅子が、木の空間に軽やかさをあたえています。またお店の奥には、まるでお家のダイニングのような半個室があります。こちらには、ハンスJ.ワグナーの 「Yチェア」が使用されており、温かみのある空間となっています。
畳のスペースも
畳のスペースには団体からひとりでも利用できる席が並んでいます。ほの暗い畳席の四隅には、ぼっと灯りが燈されており、どこか落ち着く雰囲気です。本を持ち込み、コーヒーを飲むなんて時間の過ごし方もよさそうだなぁと想像が膨らみます。
名物の升ティラミス
抹茶と濃厚なマスカルポーネの升ティラミス。酸味と苦みのバランスの良いブレンドコーヒーとよく合います。これだけ風情のある空間なので、コーヒーカップが陶器などの器だとさらに良いのになと思います。
日常を忘れさせてくれる絶景と上質な空間
神社に流れる神聖な空気、目の前に臨む絶景と温かみのある上質な空間は、日常を忘れさせてくれます。茶寮 石尊は、ひとりでも誰かと訪れても良い時間が過ごせそうです。参拝のついでのみならず、このカフェ目的でも申し分ない、とても良いところでした。
茶寮 石尊
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夏の夜間営業
8月になると「大山絵とうろうまつり」に合わせて、大山ケーブル・茶寮ともに夜間営業を行います。ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンにも紹介された、大山大阿夫利神社からの眺望は、茶寮のテラス席・店内からも望むことができます。相模湾はもちろん、天気の良い日は房総半島や伊豆大島まで見えるようです。前回、冬の明るい時間に見た景色とはまた違ったものを楽しめると思い、足を運びました。
畳席を満喫
18時すぎに訪れた時は、少し混雑していて、案内されたのはテラス席でした。混雑時の席移動は禁止ですが、前回訪れた際に気になっていた畳席がずっと空いているのでダメ元で店員さんに確認すると「畳席ならいいですよ。」と了承を得ることができました。畳席に移動すると、ハンスJ.ワグナーの 「Yチェア」をオマージュした畳用の椅子に座布団が敷かれています。照明が四隅に配置され、照度を抑えた空間が、ふっと気持ちが緩むような親密な空気を作り出しています。
街の明かりが煌めく夜景
18時からだんだんと空が暗くなっていきました。空の色が黒く深まっていくと、街に灯りがともり、その灯りがゆらゆらと煌めいて見える様子が幻想的でした。標高700mにある茶寮は、平地と比べて気温が4度下がるようで、確かに肌をまとう空気がひんやりとして気持ちよかったです。とうろうまつりは毎年行われていますので、夜景を楽しみながら夕涼みに訪れてみるのはいかがでしょうか。
※2024年はケーブルカー・茶寮石尊ともに8/10-18まで夜間営業。ケーブルカーの下りの最終便は8:30です。