TOO WOODのランタンスタンドとフォトフレーム(徳島)
2024.06.22

TOO WOODのランタンスタンドとフォトフレーム(徳島)

Craft

ふたりの出会いから生まれた、「TOO WOOD」誕生の背景

無垢材を使った木のプロダクトブランド「TOO WOOD」誕生の背景には、パドラーズコーヒーの共同代表の松島さんと、玩具などの小さな木製品を作る小石製作所の小石さん、ふたりの出会いがありました。松島さんは、コーヒーショップという空間に立ちながら、「既にある無数の製品を角度を変えて着目することで、新しい存在になる可能性があるのか」ということを日常的に探索しています。そんな松島さんにとって、アイディアの最大のインスピレーションは旅に出ること。以前マサチューセッツ州にあるシェーカービレッジの家で見た3次元のように湾曲した階段の手すりを見たときの感動と、徳島県に小石さんを訪ねて初めてみたNCルーターを使った無垢材のパーツを見たときの衝撃が重なり、「この人とモノづくりをしてみたい」と強く思ったことが「TOO WOOD」が生まれるきっかけとなりました。

「あるけどない木のもの」をコンセプトに

「何があったらよいと思う?」という幾度と繰り返される何気ない会話が、ものづくりのスタートラインでした。松島さんから出るアイデアは、作り手の小石さんにとっては難しく、できるかわからないけれど、使い手として素直に「あったらいいかも」と思える気持ちが僅差で上回る。だからこそ、小石さんは松島さんとものづくりをする意義を感じるのだそう。小石製作所の「小さくとも存在感のある良質なものをつくる」という軸と木の加工技術に、松島さんのアイディアが合わさり、住まいの名脇役になれる「あるけどない木のもの」を提案するプロダクトブランドが生まれました。日常生活に欠かせないわけではないけれど、あることで気持ちが豊かになる。そんな思いが込められています。

オーダー方法は受注生産制

2023年11月にパドラーズコーヒーで行われた新作受注会へ足を運びました。カフェの一角に「TOO WOOD」のコーナーがあり、そこへ入るとプロダクトのイラストと名前、専用サイトへ遷移するQRコードが入った紙をもらいました。この場ですぐにプロダクトを購入できるわけではなく、実際に手に取ってみて、オーダーしたい場合は期間中に専用サイトからオーダーする仕組みになっています。送料込みの分かりやすい価格設定、必要な分だけ作られ、欲しい方に確実に届く仕組みがまたいいなと思います。私は「Portable Lantern Stand TypeA」と「Photo Frame」をオーダー。「Portable Lantern Stand TypeA」はオーダーから約3か月後の2024年2月に、「Photo Frame」はオーダーから約5か月後の4月に届きました。ネットでオーダーすると翌日には届く便利な時代ではありますが、本当にいいものなら、まだかなと待ちわびてついに手にする、その時間も愛おしいものでした。本来、ものを作ることは時間がかかるし、上質なものほど時間がかかる。すぐに手に入らないからこそ、やっと手にしたときの喜びも大きい。そんなことを思い起こしてくれるような体験でした。

Portable Lantern Stand は形状が3つあり、樹種も3種類の中から選ぶことができます。インスタライブで予習し、小石さんと会話しながらじっくり吟味
オーク、ウォールナットなど異なる樹種の組み合わせがいい雰囲気を作っています

オーダーしたプロダクトをご紹介

まずは「Portable Lantern Stand TypeA」についてご紹介します。パナソニックのLEDランタンがすっぽり入るサイズのウッドカバー。パナソニックのLEDランタンは乾電池式でコードレスなので、お部屋の中でも外でも、場所を選ばず使用できます。また調色、調光を調節できるため自分好みの光にカスタマイズできます。Portable Lantern Stand は3種類あり、TOO WOODは曲線が特長的だと感じたので、カーブが印象的なTypeAを選択しました。樹種も3種類から選ぶことができ、こっくりした木の表情が気に入り「Zelkova(ケヤキ)」にしました。手に取るとなめらかなカーブが手にフィットします。ウッドカバーを湾曲させるを入れる加工は大変だと想像しますが、この加工があるとないでは大違いです。どこか楽しげなワクワクするデザインになります。手頃な価格で買える既製品のLEDランタンに、ウッドカバーをセットするだけで、これほど上質な雰囲気になるとは目から鱗です。松島さんの日々の問いから生まれるアイディアと小石製作所の技術力が生んだ、名品だなぁと思います。

Portable Lantern Stand TypeA、Zalvoke
LEDランタンの品番はPanasonic BF-AL06N-W。Amazonでも購入可能です
子ども部屋のシェルフに並べて
スツールの上に置いて。異なる樹種と合わせると、TOOWOODのプロダクトの表情がさらに楽しめると思います

次は「Photo Frame」をご紹介します。マグネットのついた四角いフォトフレームとも迷いましたが、これまた曲線がいいなと思いオーバル型にしました。樹種は2種類から選ぶことができ「Oak」を選択しました。裏面を見ると丁寧な仕事ぶりがうかがえます。裏板がフレームにすっぽりと収まり、留め金は一切ないため、写真やポストカードの交換がかんたんです。また、画びょうをひっかける穴が2つ付いているので、縦横好きな向きに壁掛けすることが可能です。

Photo Frame オーバル、Oak
留め金がついておらず、入れ替えがかんたんなのが嬉しいです。壁掛けも可能
京都に工房のあるかみ添さんの唐紙を入れて。TOO WOODのInstagramにも載っているので探してみてください

人生を映し出すような松島さんの家

少し話がそれますが、松島さんの部屋について紹介させてください。築50年の家をフルリノベーションして暮らしている松島さん。室内はあらゆるものを自らデザイン、ディレクションし、親交のある設計士さんや職人さんと綿密に作りこまれたのだそう。ライフスタイル系の雑誌やWEBメディアで取り上げられており、目にしたことがある方も多いかもしれません。松島さんの部屋は、人生や旅の中で出会った、ご本人にとって思い入れのある大切なもの、価値のあるものがギュッと詰まっているんだろうなと思わせる雰囲気が好きです。名作家具に囲まれた暮らしは素敵です。ですが、旅先で見つけた何気ない雑貨や出会ったアーティストの作品が飾ってあるような「その人に似合う部屋」、その人の人生が透けて見えるような部屋はまた違う魅力があって、心をくすぐられます。この部屋を見ていると「TOO WOOD」が生まれたワケがわかるような気がします。

写真 : WEBサイト「IDEE LIFECYCLING 」より。部屋に降り注ぐ、透き通るような陽の光までもとらえる尾原 深水さんの写真

TOO GOODなTOO WOOD

高知県でのPOP-UPに合わせて、オンラインでの受注が再開するというニュースを受け、それに合わせてTOO WOODの魅力を紐解きたいと思い、急きょ記事を書きあげることにしました。松島さんの日々の問いから生まれるアイディアと小石製作所の小石さんの技術力から生まれた「あるけどない木のもの」。TOO WOODのプロダクトを見ると、「確かにこのアイテムがこのデザインであると嬉しいな」と、生活に潤いを与えてくれる気の利いたラインナップに心踊るはずです。また、WEBサイトやロゴなど、TOO WOODの世界観を彩るデザインも素敵なので、そちらにもご注目ください。(編集者のつぶやき:また東京でPOP-UPがあれば、細々としたことでもなんでもお手伝いしたいなぁ。この世界観に浸りたい。)

TOO WOOD

高知県でのPOP-UPに合わせて、オンラインでの受注を6/21(金)-6/30(日)で再開。(2024年、6月の情報です)今後も受注会があると思いますので、引き続き要チェックです。
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