CAPIM coffeeとの出会い
書店で表紙がふと目に止まり手にした、雑誌Penの「コーヒーと暮らす家」。この表紙になっていたのがCAPIME coffeeの自宅兼店舗でした。山口出身の旦那さんと結婚し、縁ができたタイミングで、好感度なお店が山口にあると知って嬉しくなったのを覚えています。初めは、萩市にある窯元・大屋窯の濱中史朗さんのアトリエでの出張喫茶へ訪れました。雑誌を見たことを亀谷靖之さんに話すと嬉しそうに答えてくれたのを覚えていまた。(CAPIME coffeeは、亀谷靖之さん、千晴さんのご夫婦で活動されています。)一昨年には、初めて珈琲豆御渡所「龜」を訪れ、珈琲豆を購入しました。今年は夏なので水出し珈琲を求めて、「龜」を再訪しました。
住宅街の中にポツンと佇むお店
CAPIME coffeeは、山口市の住宅街の中にあり、隣接する建物がない場所にポツンと佇んでいます。周りにお店があるような場所ではないにも関わらず、絶えずこのお店を目指してくる人々がいます。カフェでもない、コーヒースタンドでもないこの珈琲豆御渡所には、どんな珈琲体験が待っているのでしょうか。
茶室のような珈琲豆御渡所
自宅に隣接したお店の入り口は、茶室のような小さなドアです。このドアをくぐり、2、3歩いて曲がると、正面にはカウンター、左手の棚には珈琲豆や器具など、珈琲にまつわるものが並べられています。約4畳の空間には、花器の設え、窓から降り注ぐ柔らかい光、お二人のお眼鏡にかなった品々が揃っていて、狭い中にも心地よさがあります。
清々しい気持ちになれる場所
お目当ての水出し珈琲と、パッケージデザインが好きでつい手にとってしまうドリップバッグ。今回はデカフェタイプを購入しました。ドリップバッグはちょっとしたプレゼントにも使えて便利です。お買い物途中に、アイス珈琲を出してくださり、珈琲を飲みながら靖之さんと少しばかりお喋り。私が手に持っていたことからGRのカメラの話をしたり、義理の父にトイレを快く貸してくださったり、穏やかな優しさに次第に清らかな気持ちになります。その後に来られた子ども連れのお客様は常連さんのようで、プールに行ってきたよと世間話をされていました。珈琲の美味しさはもちろんのこと、空間、靖之さんとの会話…と、五感を満たし、清々しい気持ちになる効果を求めて訪れる方も多いのではと思います。
珈琲焙煎場と千晴さん
義理の父がトイレを借りる際、こちらからの方が近いですよと通してもらったのが焙煎所でした。2年前に訪れた際は無かった、かわいらしい建物に心が躍ります。中に入ってみると、ポルトガルから来たという機関車のような大型焙煎機とお店を始めた頃から使っている小ぶりの焙煎機が並んでいます。焙煎所の片隅には、亀谷さんの趣味だという木の質感が美しいチェスが机上に置かれています。趣味の品まで美しく、ボードゲームをしない私ですらチェスを初めてみようかなという気がしてきます。壁の木組みはこれで完成ではなく、土壁が塗られるのだと、奥さんの千晴さんが教えてくれました。今までは話す機会がなかったのですが、洗練された装いに明るくチャーミングなお人柄にすぐにファンになってしまいました。土壁が塗られると、今とはまた全然違う雰囲気になると思うので、次の訪問も今から楽しみです。