出会いは東京、吉祥寺で
京都の工芸品ですが、出会いは、吉祥寺にある台所用品のお店、「だいどこ道具 ツチキリ」でした。戸建ての一階を改装した店内には、土切さんが実際に使われてよかった、おすすめの品々が並んでいます。作家さんの手作り感のあるものというよりは、機能的な工業製品に近いものが土切さんの好みのようです。いうならば、機能美でしょうか。機能美、それは「見た目の美しさと、使い勝手の良さを兼ね揃えたもの」と定義したいと思います。
ふと目にとまった道具
お店にはきゅっと、綺麗にたくさんの台所道具が並んでいます。同じところを行ったりきたりしながら、隈なくひとつずつ見ていきます。一度見たコーナーでも、最初は目に止まっていなかった道具や機能に気づくことがあります。二周目に見たときに、目にとまったのが、鳥井金網工芸の茶こしです。
ペーパーフィルターとさよならしたい
粗めの茶こしがついた急須を使うとき、茶葉か少し出てきてしまうことをなんとか解決したいと思っていました。また、耐熱ガラスのサーバーでお茶をいれたいとき、毎度ペーパーフィルターに茶葉を入れるのが億劫に感じていました。ペーパーフィルターの見た目も好きになれません。これなら、ペーパーフィルター不要で、カップに茶こしをとりつければ、茶葉を全てキャッチしてくれます。胴の、凛としながらもクラフト感のある佇まいも気に入りました。
茶こしを使って頂きたい、和束紅茶
こちらの記事で紹介した、「そわか」のお部屋に用意されていた紅茶が「和束紅茶」です。とてもフルーティで、ふわりとした爽やかなこの紅茶は、喉を麗した瞬間に、ほかとは違う何かを感じる味です。京都の土地で、余計なことはせずに、大切に作られた和束紅茶が、最近のお気に入りです。
「生活に役立つ」とは
柳宗悦の、生活に役立つというのは、体の求めと心の求めの交わりという考えが好きです。精神を切り離した肉体は存在しないように、私たちはモノに機能だけを求めてはいないと思います。便利だけど味気ないものではなく、使い勝手がよく、見た目も美しい。そんなモノを選びとり、いつもの何気ない時間が、はっとする瞬間になる。そんな生活の中のささやかな喜びを大切にしたいと思います。